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経営改善に補助金は勧められない

この場合の補助金とは、事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など、経済産業省系の補助金を指します。

私は事業再構築補助金がスタートした最初の一年間は、補助金支援に業務を絞って活動していましたが、

その結果、経営が厳しい環境にある会社は補助金に手をつけない方がいい、と私は結論しました。

事業者の相談窓口は補助金を推してくる

 

国や自治体の事業者向けの相談窓口は補助金推し!です。

手順を守れば国からお金が出るので、売上を伸ばすよりも楽に利益捻出につながりますし、

申請には事業計画を始めとした膨大な書類の提出が必要で、問い合わせに受け付けるだけで、支援件数が伸びるからです。


(国や自治体の相談窓口は、相談件数の実績が重要視されます)

経営が苦しいけれども補助金はやめた方が良い理由

大きく二つあって、まずは資金繰りの理由です。

補助金は設備などのお金を全額支払った後に実績報告を出して、国からお金が振り込まれます。

支払いから振り込みまで、半年はかかります。

その間、資金ショートのリスクが高まるのであれば、当然やらない方が良いです。


もう一つの理由は、経営者の不安を増大させるから。

経営改善フェーズの経営者の大半は、焦りや不安で心身が消耗しています。

そのような状況で補助金に申請して採択されたとします。

採択されたあと、交付申請で書類を揃えて提出し.

(書類が膨大で細かいのでこの時点で諦める方もいます)


なんとか提出した書類の修正を補助金の事務局から何度も依頼されて、
(見積もりなどは業者に再度依頼するので、実に手間ひまがかかります)


その結果、補助金金額を減額されたり、ほとんど認められないこともあります。

(事業再構築補助金で多数の被害事例が出ています)


交付決定の後は、機械などの投資を行い購入したことを証明する実績報告を行うのですが、

他の機材に変更したいとか、

銀行振り込みではなく現金で手渡したとか、

銀行振込の受付票をなくしたとか、


たいてい、補助金事務局で求められているルールに反することやイレギュラーな事態が発生して、補助金が出ない不安を抱くケースが出てきます。

なお、補助金の手引きというマニュアルが公開されていて、ルールについて記載されています。

国の補助金サイトでは、手引きをご確認ください、としつこく記載されていますが、これ、読むのになかなか根気がいる資料です。


私を含めて、補助金の専門家も記載された内容をイマイチ解釈できず、同業者同士で情報交換するくらいですから笑

 


このように、補助金が採択されてから、補助金の入金まで一年から一年半はこの不安定な状態を続けるのです。


会社の経営が厳しく、今後どうなるのか不透明な時期に、さらに不安を煽る補助金は手がけないことをお勧めします。