卸売業とありますが、製造業や工事業を含むBtoBの会社でよく見られる事例でもあります。
顧客別の売上や利益を見ていくと、売上は大きいけれども利益率が低い顧客というのが存在します。
利益率が低くても、売上が大きく利益額が出ていれば(薄利多売)、それはそれでアリです。
ただし、利益率が低いだけではなく、従業員の作業負担が大きいとか、
運賃や保管料などの経費が発生しているとか、
そういった諸々を考慮するとトントン、またはマイナスという場合、価格交渉をするか、取引を止めるのが基本となります。
赤字なのに取引をやめられない理由 その1
しかし残念ながら、赤字だとわかってもなかなか取引を止めることができない経営者が多い。
その理由の一つ目は資金繰りです。
赤字取引でも、毎月まとまったお金が入金されるのは、資金繰りが厳しい会社からするとありがたい存在です。
将来の赤字よりも、目の前の材料費とか外注費とか人件費を支払うための資金が必要だからです。
ですので、取引を止める場合は、日毎の資金繰り表を見ながら、
場合によっては社長個人の資産を投入するなど、慎重に進めていきます。
赤字なのに取引をやめられない理由 その2
もう一つの理由は、経営者のプライド。
相手が知名度が高い大手企業であれば、取引していることが会社の財産だと考える経営者は多いです。
確かにその通りですし、大手企業との付き合いがあるということで、新規受注につながるケースもままあります。
しかし、過去の実績にしがみついたままでは、経営改善へ向かうのは困難なのです。